フランスの滞在許可証の種類

フランスに長期滞在（90日以上）を希望する日本人の方々にとって、滞在許可証を正しく選択することは非常に重要です。フランスには様々な種類の滞在許可証があり、それぞれの目的に応じて適用されます。本記事ではフランスの主要な滞在許可証の種類とその取得方法について要約しました。

1. 長期滞在ビザ（Visa de long séjour）

長期滞在ビザは、フランスで90日以上滞在するために必要なビザです。これは滞在許可証を取得するための最初のステップとなります。このビザを所有していると、滞在許可証を申請していなくても12ヶ月未満のフランス滞在を許可されます。

適用範囲: 学生、労働者、家族滞在など
手続き: フランスの大使館または領事館で申請します。
必要書類: パスポート、申請書、滞在理由を示す書類など（例：入学許可証、雇用契約書）
詳しくはこちら　→ https://jp.ambafrance.org/article20562

2. 学生滞在許可証（Carte de séjour étudiant）

フランス留学のために必要な滞在許可証です。

適用範囲: フランスの教育機関に入学する学生
手続き: フランス到着後、現地の県庁で申請します。
必要書類: 入学許可証、財政証明書、健康保険証明書など

3. 労働者滞在許可証（Carte de séjour salarié）

フランスで働くための許可証です。

適用範囲: フランスの企業に雇用されている労働者
手続き: 雇用契約書を基に企業が申請手続きを支援します。
必要書類: 雇用契約書、雇用主の証明書、財政証明書など

4. 家族滞在許可証（Carte de séjour vie privée et familiale）

家族の一員としてフランスに滞在するための滞在許可証です。

適用範囲: フランスに居住する家族の一員
手続き: フランス到着後、現地の役所で申請します。
必要書類: 家族関係を証明する書類（結婚証明書、出生証明書）、財政証明書など

5. 起業家・自営業者滞在許可証（Carte de séjour entrepreneur/profession libérale）

フランスで事業を行うための許可証です。

適用範囲: フランスで起業または自営業を行う者
手続き: 事業計画書や財政計画書を基盤として申請します。
必要書類: 事業計画書、財政証明書、必要な免許や資格証明書など

6. 技術者・専門家滞在許可証（Carte de séjour compétences et talents）

特定の技術や才能を持つ専門家向けの許可証です。

適用範囲: 高度な技術や専門的な才能を持つ者
手続き: 技術や才能を証明する書類を基に申請します。
必要書類: 技術や才能を証明する書類、財政証明書など

詳しくはこちら　→ https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/N110

申請プロセスの一般的な流れ

ビザ申請: 在日フランス大使館または領事館で長期滞在ビザを申請。
渡仏: ビザを取得後、フランスへ渡航。
滞在許可証申請:必要書類を揃えてフランスの滞在先の県庁で滞在許可証を申請。現在はオンライン化されています。
面接・審査: 場合によっては面接や追加書類の提出があります。
滞在許可証申請受領証明書（レセピセ）交付: 滞在許可証申請をしたことを証明する書類です。正式な滞在許可証を受け取るまでの仮滞在許可証のような役割を果たします。
滞在許可証交付：レセピセ交付後しばらくすると、滞在許可証を受取りに来てくださいという知らせが県庁から届きます。

滞在許可証申請に必要な提出書類はフランス語でなくてはなりません。日本語の書類（戸籍抄本、日本の大学の卒業証書など…）はフランス語に法定翻訳されたものしか受領してもらえません。フランス在住の日仏法定翻訳家のリストは在仏日本大使館やマルセイユ総領事館、リヨン総領事事務所のホームページに掲載されていますが、フランス語が苦手な方は直接、大使館か領事館に電話でお問い合わせすることをおすすめします。

フランスでの滞在許可証申請はなかなかスムーズに進まないことがありますが、しっかり書類が揃っている場合は拒否されることは稀です。辛抱強く、気長にかまえて交付されるのを待ちましょう。

＊当情報は2024年6月13日現在のものです。最新の情報は上記の公式機関のホームページでご確認お願いします。

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