フランスは世界的な経済大国のひとつで、多くの日本企業がフランス市場に進出しています。しかし、文化やビジネスマナーの違いから、ビジネスコミュニケーションが円滑に進まないこともあります。ここでは、日本人がフランス人とビジネスを行う際に注意すべきポイントを紹介します。

• コミュニケーションスタイル：フランス人は率直なコミュニケーションを好みます。自分の意見や考えを明確に伝えることが重要です。曖昧な表現や遠回しな言い方は避け、はっきりと意思表示をしましょう。

• 初対面の挨拶：フランスではビジネスの場でも握手が一般的です。初対面の際は握手をし、相手の目を見ながら挨拶を交わしましょう。名刺交換は日本のように一般的に浸透している慣習ではないので、フランス人が名刺を用意していなかったり、あなたの名刺を片手で受け取っても気にしないように。

• 時間に緩やか：フランスでも時間厳守が基本ですが、日本と比べるとかなり緩やかです。例えば、会議の開始時間は会議を始める時間ではなく、会議の会場に着く時間と解しているフランス人は少なくありません。日本のように厳密な時間管理を求めるよりも柔軟に対応する姿勢が求められます。

• 活発な議論：フランスの会議では活発な議論が行われます。意見交換を通じて最良の解決策を見つける文化があるため、自分の意見をしっかりと積極的に発言しましょう。反対意見でも理論的に説明すれば耳を傾けてくれます。ビジネスの場では議論を交わしても、会議が終わると和かに雑談をするのがフランス人のスタイルです。

• ビジネスランチとディナー：フランスではランチタイムがビジネスにおいて重要な役割を果たします。商談や打ち合わせもランチを共にしながら行うことが多いです。リラックスした雰囲気の中で人間関係を深める良い機会です。ディナーでは直接的なビジネスの話題は避け、リラックスした雰囲気を楽しみましょう。ただし、ビジネスパートナーの前でお酒に酔うことは避けましょう。フランスでは公けの場で酔う人に対し、日本ほど寛容ではありません。

• 生活の質を重視：フランス人の生きがいは家族とバカンスと美味しい食べ物です。急ぎの仕事や遅れている仕事があっても定時で帰るのは当たり前、バカンスシーズンには担当者とは一切連絡を取れないこと、休日やオフィス時間外に業務連絡で電話したりsmsを送信するのはタブーであることをあらかじめ念頭にいれておきましょう。

• フランスの文化と歴史：フランスの長い歴史と豊かな文化に対して敬意を示すことが、ビジネス関係を円滑に進める鍵となります。歴史や文化に関する知識を持ち、適切な場面でその知識を共有することは、信頼関係の構築に役立ちます。また、フランス人には日本文化に興味を持っている人が少なくないので、日本らしいお土産などはとても喜ばれます。

• 契約書の重要性：フランスや契約社会です。口頭での約束は重視されず、取引内容が文書化され、契約書が署名されるまでプロジェクトは進行しません。正式な書面で合意事項を確認して契約内容を十分に理解し、細部にまで注意を払うことが必要です。

• 法律：フランスの法律や規制についての基本的な知識を持ち、必要に応じて現地の専門家の助言を受けることが重要です。特に労働法や商法に関しては、現地の法律に従った手続きを行うことが求められます。フランスでは労働法がしっかり適用されています。

  皆さんのフランスでのビジネスの成功を祈っています！

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• 『フランス人の流儀: 日本人ビジネスパーソンが見てきた人と文化』日仏経済交流会　2012年